中学生向け職場体験の受け入れを通して見えたこと(2)

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総務課のサトウです。
前回記事「中学生向け職場体験の受け入れを通して見えたこと(1)」に続いて第2回です。

職場体験内容の検討

次に、職場体験として参加者にどのような体験をしてもらうかを考えました。
職場体験で実施できるのは、あくまで本来の業務に支障が出ない内容に限られます。
例えば、飲食業であればお客様に提供する料理や飲み物の調理を任せることは難しく、小売業でも接客やレジ業務を一人で担当してもらうことは現実的ではありません。
製造業の場合も、安全や品質の面から、製品の製造や検査をそのまま体験してもらうことはできません。
当社においても、自治体や学校、企業や団体などのお客様からお預かりした機密情報を扱う業務が多く、実際の業務内容を見せたり、体験してもらったりすることはできません。
そこで今回は、「本来業務に影響を与えず」「中学生にも無理なく楽しんでもらえる」ことを意識し、次の2つの体験を用意することにしました。

体験1:ネットワークシミュレータを使用したネットワーク構築体験

普段から何気なく使用しているコンピュータネットワークですが、実際にどのような仕組みで動いているのかを理解してもらうため、簡単なネットワークを自分たちで構築し、実際に動かしてみる体験を用意しました。

まずは座学から

一般に通常あまり意識していないコンピュータネットワークについて、当社のようなIT企業のエンジニアはよく理解している必要があり、身近な例をもとに解説を行います。
とはいえ職場体験、座学は短めに——今回は「メールを送って、相手に届く」という日常的な操作を例に、現在主流になっているコンピュータネットワークがTCP/IP階層モデルで構築されていることを理解してもらうことにしました。

ネットワーク構築体験

次に、実際に機器を操作しながら、ネットワーク構築体験に進みます。
スイッチングハブとして機能させたネットワークスイッチ1台とPC3台を使い、最小規模のLANを構築しました。
LANに接続された1台のPCから、別のPCに対してコマンドプロンプトでping要求(Echo Request)を送り、応答(Echo Reply)を受信することで、座学で学んだとおりに実際のコンピュータネットワークが動作することを体験してもらいました。


さらに、ネットワークを成立させる要素の一つであるルータの役割を理解してもらうため、ルータを介して接続された2つのLANを構築しました。
この環境でもそれぞれのLANに接続したPCから、ルータを越えてping要求を送り、応答が返ってくることを体験しますが、先ほどの同じLAN内とは異なる動作となっていることを確認することで、異なるネットワーク同士が接続される仕組みを体験してもらいました。


これらの体験は、Cisco社のネットワークシミュレータであるPacket Tracer※1を使用して実施しました。
Packet Tracerで用意されたGUIを用いて機器の配置や配線を行い、ターミナルからCisco社の機器の設定に必要なIOSコマンドを入力してスイッチやルータを設定しました。
最後にPCのコマンドプロンプトで動作確認を行い、参加者にとってはそれなりに新しい体験を提供できたのではないかと感じています。


今回はここまでです。
次回記事「中学生向け職場体験の受け入れを通して見えたこと(3)」では、2つ目の体験とまとめについてお話しします。


<関連記事>
中学生向け職場体験の受け入れを通して見えたこと(1)
中学生向け職場体験の受け入れを通して見えたこと(3)

<参考文献>
※1【参照】Cisco Packet Tracer
https://www.netacad.com/ja/articles/news/download-cisco-packet-tracer

<用語解説>
TCP/IP階層モデル
インターネットで実際に使われている通信の仕組みを、いくつかの段階に分けて表したもの。
OSI参照モデル(7つの階層で考える)よりシンプルで、現実の通信に近い。
スイッチングハブ
同じネットワークの中で、パソコン同士をつなぐ機械。
必要な相手にだけデータを送るので、通信が速くてムダが少ない。
ネットワークスイッチ
スイッチングハブとほぼ同じ意味。
特に学校や会社で使われる、少し高機能なものを指すことが多い。
LAN(ラン)
家や学校、会社など、せまい範囲で使われるネットワークのこと。
教室のパソコン同士がつながっている状態などがLAN。
ping(ピン)
ネットワーク上で、相手の機器と通信できているかを確認するための簡単な命令。
送信すると応答が返ってくる。
ルータ
LANとインターネットをつなぐ機械。
データが「どこへ行くべきか」を判断して、正しい方向へ送る役目を持つ。
GUI(ジーユーアイ)
文字を打つだけでなく、アイコンやボタンをクリックして操作できる画面の仕組み。
Windowsやスマホの画面がその例。

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